雨やどり


管理人室 -- 自由研究 -- 読んだ本 -- 2022
はじめて読んだなかでよかった本に★をつけています 
第1位★★★ 第2位★★ 第3位★(月間)


12月 / 11月 / 10月 / 9月 / 8月 / 7月 /
6月 / 5月 / 4月 / 3月 / 2月 / 1月

12月

なかがわちひろ『小さな王さまとかっこわるい竜』(2010/06)
図書館本。児童書。絵も物語もかわいい。どちらかというと神秘的なふしぎ。
大石真『魔女のいる教室』(1994/01)
図書館本。児童書。子どもだったことを覚えている大人が書いた本という感じ。
さとうまきこ『うさぎのなぞなぞ屋』(2000/07)★★
図書館本。児童書。さとうまきこさんの物語がもつこの雰囲気が好き。ふしぎがほんとうでうれしかった。
植田真『まじょのデイジー』(2009/03)
図書館本。絵本。カラスが泣いたとき、デイジーはどんな顔をしたのかな。何か言ったのかな。
マーガレット・マーヒー 文/ヘレン・オクセンバリー 絵『うちのペットはドラゴン』(2000/06)こやまなおこ 訳★★★
図書館本。絵本。家の本棚にも追加。物語は、シンプルだけれど愛と魔法にあふれている。絵と文がこれほどまでマッチしている絵本、なかなかない。

11月

林希林 文/岡田千晶 絵『あかいてぶくろ』(2021/10)
絵本。てぶくろとてぶくろがすれちがうラスト、とてもすてき。あたたかい。
中島和子『さよならのまほう』(2005/02)
児童書。シリーズの終わりは、寂しく、しみじみとする物語。読後、ベンチになったばかりの頃を思い出してとてつもなく懐かしい気持ちになった。同時に、ベンチになったのは本当に良かったのだと心の底から思えた。懐かしいのは、私自身がむかし読んだからなのか、最後のページの絵の力もあるのか、でも一番は、それほど私が物語に引き込まれていたということだと思う。
中島和子『まじょになりたい』(2004/06)
児童書。まじょともえちゃん、ふたりの友情のおはなしだった。「まじょしゅぎょう やりなおし」の見開き2ページつづく絵がとってもよかった。
中島和子『まじょのいのり』(2003/07)
児童書。シリーズのここからは初めて読む。もえちゃんが少し大きくなっていて、まじょのベンチと今もともだちなのがうれしかった。
中島和子『まじょのけっしん』(2001/11)
児童書。『さいごのまほう』とともに、何度も読んだ。秋里信子さんの絵もよく覚えている。月の光がふりそそいでいるページは特に。
中島和子『さいごのまほう』(1999/07)
児童書。小学校1~2年生の頃、買ってもらって好きで何度も読んだ本。好きすぎて全文書き写したりしていた。続編があることを最近知り、また読み返した。名作。今の私を作っているもののひとつであることは間違いない。
オトフリート・プロイスラー『かかしのトーマス』(2012/09)吉田孝夫 訳
図書館本。児童書。1959年に書かれた物語らしい。ドイツの土、季節を感じられた。結末は、なるほどと思った。
ウィリアム・スタイグ『ロバのシベルスターとまほうの小石』(1975/10)せたていじ 訳
絵本。物語もおもしろく、登場人物の気持ちも自分のことのように感じられる。巻末のコールデコット賞受賞スピーチを読んで、とても納得した。「謎を謎としたままで人生について知る」
ウィリアム・スタイグ『ぬすまれた宝物』(1977/12)金子メロン 訳★★★
図書館本。児童書。家の本棚にも追加。これはすごい。信じてもらえなかった時のガーウェイン、自分のしたことの重さに気づいたデレック。ふたりの気持ちになんて寄り添っていることだろう。
ウィリアム・スタイグ『きいろとピンク』(1989/03)おがわえつこ 訳
図書館本。絵本。ふたりのキャラクターがよかった。きいろの頑固さ、ピンクの表情、たまらない。
ウィリアム・スタイグ『ジークの魔法のハーモニカ』(1997/02)木坂涼 訳
図書館本。絵本。家出した時に持ったふたつのバッグ、「ひとつには食べ物を、もうひとつには、これまたほとんど食べ物をつめて」(笑) ジークの表情がどれも本当にいい。泣いている時、なぜか鴨も泣いているの、なんだか好き。
ウィリアム・スタイグ『ねずみの歯いしゃさんアフリカへいく』(1995/02)木坂涼 訳
図書館本。絵本。ソト先生がパジャマ姿でさらわれるときの表情、かわいい(とか言っている場合ではないのだけれど、本当にかわいい)。
ウィリアム・スタイグ『くぎになったソロモン』(1989/03)おがわえつこ 訳★★
図書館本。絵本。家の本棚にも追加。おもしろかった。大好き。いきなりウサギがくぎになれちゃうのも、急にナイフを持った猫が現れるのも、それらがすべてなんとも平和な雰囲気の中で進んでいくのも、とてもいい。
ウィリアム・スタイグ『ちいさくなったおにいちゃん』(1997/11)木坂涼 訳
図書館本。絵本。おにいちゃんのこと、「散歩につれだしました」って! 犬みたいに(笑) 弟がとことん弟でかわいい。
小西英子『パパゲーノとパパゲーナ』(2017/11)
図書館本。絵本。モーツァルトの「魔笛」をもとにつくられたお話。明るい音楽が流れてくるような気がした。
オー・ヘンリー 原作/いもとようこ 文絵『さいごの一葉』(2014/09)
図書館本。絵本。このあと、ジョアンナはどう生きていくのかしら……。

10月

デイビッド・リッチフィールド『クマとこぐまのコンサート』(2021/02)俵万智 訳
絵本。最後、みんなが船で帰っていくのがいい。そのときの「心のおみやげ」という言葉がよかった。
デイビッド・リッチフィールド『イヌと友だちのバイオリン』(2019/11)俵万智 訳
絵本。物語はヘクターの目線で進むけれど、ヒューゴの気持ちで読むと、また違う味わい。
デイビッド・リッチフィールド『クマと森のピアノ』(2017/10)俵万智 訳
絵本。文章も多め。森の絵がとにかくきれい。
梨木香歩『マジョモリ』(2003/05)
図書館本。児童書。神秘的で鮮やか。そういう空気をいっぱい吸って、しんとした心地になる。
たかどのほうこ『お皿のボタン』(2007/11)★★★
図書館本。児童書。家の本棚にも追加。おもしろかった!ロマンもある。
安房直子『グラタンおばあさんとまほうのアヒル』(2009/03)
図書館本。児童書。アヒルがかわいい。
ルース・エインズワース 作/山内ふじ江 絵『黒ねこのおきゃくさま』(1999/10)荒このみ 訳
図書館本。絵本。文章も多め。おじいさん、これからも変わらない心をもって生きていくんだろうな。いいなぁ。
スズキコージ『クリスマスプレゼントン』(2003/10)
図書館本。児童書。ヨーロッパの寒い冬の景色を、スズキコージさんの絵を通して見るのはすごくすてき。
デイヴィット・ルーカス『おもちゃびじゅつかんのクリスマス』(2012/09)なかがわちひろ 訳
図書館本。絵本。私の好きなクリスマスの雰囲気ってこういうもの!読者の心にもほしのかがやきが残る。
中島和子『ふしぎなやまびこしゃしんかん』(2012/11)★★
図書館本。児童書。疑いなく、あたたかくてすてきな物語。とても好き。
トレーシー・ニューマン 文/アビゲイル・ハルピン 絵『イツァーク ヴァイオリンを愛した少年』(2022/10)廣津留すみれ 訳
図書館本。絵本。巨匠イツァーク・パールマンの若いころの話。絵がきれい。
米倉健史『うみのとびら』(2001)
図書館本。絵本。キルティングアート。まさに憧れの海。
工藤直子 文/あべ弘士 絵『ちび竜』(2019/12)
図書館本。絵本。最後、想像以上に大きくなった。
安西水丸『おばけのアイスクリームやさん』(2006/06)
絵本。アイスクリームの絵本を探していて見つけた。どうぶつのアイスクリーム、かわいい。

9月

ジェニー・ニモ『魔女からの贈り物』(2000/02)
図書館本。児童書。イギリスの冬の日の空、石造りの家のあたたかい暖炉、というだけでもう好き。そこに魔女。いい。テオはテオらしかったけれど、私には彼の態度を少しもどかしく感じるときもあった。
中川李枝子『森おばけ』(1978/12)
図書館本。児童書。物語も山脇百合子さんの絵もかわいい。学校の雰囲気もよかった。一年生ってほんとこんな感じ。
江國香織『なかなか暮れない夏の夕暮れ』(2017/02)★★
図書館本。すごかった。稔のこと、好きになってしまった。届かないものに対する疎外感を、誰もが繊細にあるいは曖昧に感じている。私も。
ウィリアム・ニコルソン『かしこいビル』(2003/04)まつおかきょうこ/よしだしんいち 訳
図書館本。絵本。これも、イギリスの兵隊さんが出てくる本を探していてたどり着いた。おもちゃが何の根拠も前提もなく動くのがいい。
スティーブ・アントニー『女王さまのぼうし』(2015/10)せなあいこ 訳
図書館本。絵本。イギリスの兵隊さんが出てくる本を探していて(なかなかない)見つけた。ロンドンの街もいい。
ヘレン・スティーヴンズ『ライオンをかくすには』(2013/03)さくまゆみこ 訳
図書館本。絵本。物語で怖がられがちなライオン、この本も然り。でも本当はみんなきっとライオンが好き。
ウィリアム・スタイグ『ねずみとくじら』(1976/12)せたていじ 訳★★★
図書館本。絵本。家の本棚にも追加。読んだことのない人はみんな読むべき。“なかよし”のふたりのラスト、ジーン。 →日記
デニス&アラン・トレ『ドロシーとまほうのえのぐ』(2014/10)こみやゆう 訳
図書館本。絵本。実際の動物ではなく、落書きだからこそ、物語がより自由になっている。
青山七恵 文/刀根里衣 絵『わたし、お月さま』(2016/11)
図書館本。絵本。家の本棚にも追加。絵がとにかく美しい。物語もシンプルだけれど印象に残る。ドーナツ。
三浦しをん『ののはな通信』(2018/05)
図書館本。手紙のちにメールでのやりとりのみで書かれているからなのか、二人の言葉が心にまっすぐ入ってきた。「さびしいね。」と同じ言葉を送り合う二人のことを、なんだか他人事には思えない。
さとうまきこ『9月0日大冒険』(2012/07)
児童書。今年も9月0日に読んだ。文庫版で読んだ。わすれない。

8月

ふくだすぐる『りんごがひとつ』(1996/05)★★
絵本。かわいらしい絵で描かれた動物たちの、怒ったり困ったりする表情がたまらない。
ふくだすぐる『One Apple りんごがひとつ』(2019/02)Soshi Uchida 英訳
図書館本。絵本。予約したら英語版だった…。日本語版を、家の本棚にも追加。
クリス・コルファー『ザ・ランド・オブ・ストーリーズ 1 願いをかなえる呪文』(2018/07)田内志文 訳
図書館本。児童書。シリーズの1巻らしく、おとぎの国の登場人物たちがたっぷり出てきて満足感がある。2巻以降、さらに物語が深まっていくのかしら。楽しみ。
森絵都『生まれかわりのポオ』(2022/06)
図書館本。児童書。ネコのポオの死にゆっくりと向き合う。そのテンポ感が絶妙で、ぼくやママや読者の気持ちにうまく寄り添ってくれる。カシワイさんの、秋のボートの絵がいい。
ふくだすぐる『サインですから』(2011/03)
図書館本。絵本。意味など考えず、ただ笑って読める一冊。タヌキかわいい。
ふくだすぐる『やさしい女の子とやさしいライオン』(2010/12)
図書館本。絵本。おわり方がよかった。特別な日のお話ではないと分かる。
佐藤さとる『ジュンとひみつの友だち』(1996/11)★★★
図書館本。家の本棚にも追加。児童書。すごくよかった。小屋作りのわくわく感、ふたりの友情、日常の中のファンタジー、かっこいい女の子(ミサオねえちゃん)。初秋から晩冬の、日本らしい季節感もよかった。

7月

馬場のぼる『11ぴきのねことへんなねこ』(1989/12)
絵本。久々の再読。欲望のままに動くねこたちの、ラストのあんぐり顔がキュート。
馬場のぼる『11ぴきのねこ どろんこ』(1996/10)★★
絵本。久々の再読。ジャブとねこたち、いつまでも仲良しでいてくれると信じてる!再読だけれど、内容あまり覚えていなかったので、ランクイン。
馬場のぼる『11ぴきのねことぶた』(1976/12)
絵本。おそらく久々の再読だけれど、覚えていなかった。ねこたちの「ぶたくん」呼び、ぶたの「ねこさん」呼び。
瀬尾まいこ『夏の体温』(2022/03)
図書館本。瀬尾さんの本は、むかしよく読んだ。表題作含め、お話3つ。「魅惑の極悪人ファイル」がよかった。
アーサー・ランサム『ヤマネコ号の冒険』上、下(2012/05)神宮輝夫 訳★★★
児童書。ランサム・サーガ第3巻。「冬の夜話」。空想だからこそできる冒険がとても清々しい。ナンシイがかっこよすぎ。
クライヴ・ブラウン、ニール・ペレス・ダ・コスタ、ケイト・ベネット・ウォズワース『ブラームスを演奏する』(2020/11)天崎浩二、福原彰美 訳
時代が変わっていくさなかでブラームスが求めた演奏法は、いつの時代にも通用するものだったことが分かる。ヨアヒムの演奏を聴きたい。
アンニョン・タル『すいかのプール』(2018/07)斎藤真理子 訳
絵本。さっくさっく、入っていくところが気持ちよさそう。泳ぐのは…ベタベタしないのかな~。
なかえよしを 作/上野紀子 絵『ねずみくんとおんがくかい』(1987/01)
絵本。トランペット、花形なのに…!

6月

ハリーナ・パシエルプスカ『ドールハウス ヨーロッパの小さな建築とインテリアの歴史』(2017/06)安原実津 訳
ドールハウスの図鑑のような一冊。ドールハウス好きにはたまらない。ずっと眺めていられる。
リンダ・ニューベリー『おもちゃ屋のねこ』(2022/05)田中薫子 訳★★★
児童書。むかしながらのおもちゃ屋の雰囲気がとてもいい。魔法が、魔法としてではなく、現実のふしぎとして書かれている感じ。
ビアトリクス・ポター『ピーターラビットのおはなし』(2022/03)川上未映子 訳
絵本。まず、小さい絵本のサイズ感がいい。そして、ピーターラビットは景色がいいのよね。
アリスン・マギー 文/ユ・テウン 絵『たくさんのドア』(2018/02)なかがわちひろ 訳
絵本。詩かな。原文を読んでないけれど、少なくともこの日本語訳は、言葉の選び方が絶妙。すっきりとしているけれと単純すぎず分かりにくすぎず。絵がとても好み。
藤本ともひこ『たなばたバス』(2012/06)
絵本。絵もお話もはっきりしている。リトミックで使えそうと思って買ってきた。
鈴木まもる『としょかんのきょうりゅう』(2021/06)★★
絵本。動物好きにも、恐竜好きにも、図書館好きにも、そして冒険好きにもたまらない一冊。
鈴木まもる『なにしてるの?』(2020/11)
絵本。「みんながうれしくなる」というのは、好きなことをしている本人だけじゃなく、必ず誰かもいるのだなぁ。
ヒグチユウコ『せかいいちのねこ』(2015/11)
絵本。児童書と言ってもいいくらい文も多い。表情がこまやか。アノマロのインパクトがすごい。
斉藤洋 作/浅倉由美子 絵『ちいさなはなのものがたり―しろつめくさのはなかんむり―』(2017/06)
図書館本。絵本。とても美しく心が清らかになるような心地がする。絵がわたし好みでとてもかわいい。

5月

吉田秀和『ブラームス』(2019/12)
「ブラームス」の章、著者のブラームスへの愛が詰まっている。クララが亡くなった後の《4つの厳粛な歌》のエピソードは涙なしには読めない。
なかえよしを 作/小池敏彦 絵『ヤングさんのオーケストラ』(2022/04)
絵本。むかしを思い出せる今でよかった。積み重ねてきた過去を今から見るような。
森絵都『チイの花たば』(2021/10)★★
児童書。おばあちゃんがすごくかっこいい。まっすぐな物語に勇気をもらえる。
ひらぎみつえ『お? かお!』(2017/04)
しかけ絵本。いろんな表情。
馬場のぼる『11ぴきのねことあほうどり』(1972/11)
絵本。久々の再読。「まいどありがとうござい」。何度読んでもかわいくて楽しい。
児童文学雑誌「飛ぶ教室」69号(2022/04)
特集「雨のふる日」。稲垣栄洋さんのエッセイ「じつは、カタツムリはブロック塀をかじっているのです」
柏葉幸子『18枚のポートレイト』(2022/03)
小品集。普段いる世界とファンタジーとの融合の仕方がすごい。切り離された複数の世界がつながるのではなく、いくつもある世界が同じ場所に重なって、そこにいる人々がつながる。世界観に任せず、人々にスポットがあたっているのは、まさにポートレイトということか。
E・ネズビット『メリサンド姫 むてきの算数!』(2014/02)灰島かり 訳
図書館本。児童書。算数要素はそこまでメインじゃない。むしろファンタジー要素が強くて面白かった。いろんなお話のかけらも。高桑幸次さんの絵がすごい。
クロード・K・デュボア『ふたりの箱』(2010/09)小川糸 訳
図書館本。絵本。大きな事件が起きるわけではない。“ふたりは、公園で再会しました。”というラスト、心の底からよかったねと思えた。
クロード・K・デュボア『わたし、ぜんぜんかわいくない』(2011/02)小川糸 訳
図書館本。絵本。女の子が自分と向き合って、少しだけ前に進む。最後のにっこり笑った顔に嘘っぽさがなくていい。
バーバラ・クーニー『ルピナスさん』(1987/10)掛川恭子 訳
図書館本。絵本。おじいさんと「世の中をうつくしくすることをなにかする」という約束をした女性。ささやかだけれど本当に美しい。
岡田淳『カメレオンのレオン ないしょの五日間』(2022/05)★★★
児童書。とにかく思いっきり楽しくて、ほんわかした心やきゅっとした気持ちにもなる。うわぁいいなぁいいねぇ、とずっと思いながら読んだ。 →感想文

4月

柏葉幸子『魔女が相棒? オコジョ姫とカエル王子』(2020/11)★★★
図書館本。児童書。シリーズ第2作目も楽しかった。シリーズものは、2作目以降、より親しい気持ちで読めるのがいい。違う世界に行って、また違う場所へ行って、そこは普段いる世界ともつながってるっていうのが、すごくよかった。
柏葉幸子『魔女が相棒? ねぐせのヤマネ姫』(2018/11)
図書館本。児童書。柏葉幸子さんの描くファンタジーの世界観はやっぱりいい。登場人物たちのコンビネーションも絶妙。
石井睦美 作/岡田千晶 絵『ちいさな魔女とくろい森』(2019/04)
図書館本。絵本。言葉のテンポ感が詩みたい。魔女の決意の気持ちが、絵からすごくよく伝わってくる。
ピーター・コリントン『ちいさな天使と兵隊さん』(1990/03)
図書館本。字のない絵本。おもちゃが動くという設定だけでもういい。冒険の雰囲気も、めでたしめでたしの感じもいい。
アンナ・ミルボーン 文/サンドラ・デ・ラ・プラダ 絵『ひとりきりでも(そんなに)こわくない』(2021/10)青山南 訳
絵本。目には見えないつながりを、音に見つけ、心にも見つける女の子がたくましい。
くまくら珠美『そらのきっさてん』(2021/10)
絵本。それぞれにいろんな事情を抱えた猫や犬。みんながする話はそれがすべてじゃない。喫茶店という空間で共有されている空気感がいい。
平田研也 作/加藤久仁生 絵『つみきのいえ』(2008/10)★★
図書館本。絵本。思い出が、懐かしむためにあるのではなく、今ここにいるために積み重なっているところがいい。図書館本で、水濡れあり、紙が少しぺこぺこしているのが、偶然にも物語に合う。
なかがわちひろ『すてきなひとりぼっち』(2021/05)
図書館本。絵本。ひとりぼっちから始まり、賑やかなシーンがあり、またひとりぼっちでお話が終わる。最初のひとりぼっちと最後のひとりぼっちのコントラストが鮮やか。
朝井リョウ『世界地図の下書き』(2013/07)
図書館本。児童養護施設に暮らす5人の話。人間のいちばん正直なところを的確かつ繊細についてくる。そして、みんなひとり。
朝倉かすみ『地図とスイッチ』(2014/11)
図書館本。登場人物がみんな嫌な印象。上下とか損得とかそういうものがベースにある。でも、人間は普通そうなのかもしれない。だとしたら本当に嫌だ。

3月

馬場のぼる『11ぴきのねこ ふくろのなか』(1982/12)★★
絵本。久々の再読。とてもいいね。とてもかわいいね。はじめて読んだ本じゃないけれど特別にランクイン。
みねおみつ『モノレールのたび』(2014/02)
絵本。モノレールが出てくる本を探していて見つけた。モノレール楽しそう!と思える一冊。
征矢清 作/林明子 絵『はっぱのおうち』(1985/04)★★★
絵本。雨やどりの短い時間。林明子さんの描くさちの表情がとてもいい。
すとうあさえ 文/いりやまさとし 絵『おはなみバス』(2020/02)
絵本。絵がかわいい。おべんとうもってバスにのるのもお花見の楽しみよね。
五味太郎『かくしたのだあれ』(1977/06)
絵本。愉快な発見を体験できる一冊だと思う。関係のなさそうなもの同士に関係がある。
米澤穂信『春期限定いちごタルト事件』(2004/12)
図書館本。軽快でコミカル。面白かった。こういう高校生像、とてもいいね。頭は切れるがそんなに大人びてもいないと思う。
石井睦美『愛しいひとにさよならを言う』(2013/02)
図書館本。仰々しくないから、最近知り合った人から聞いている話のような感覚がした。
M.B.ゴフスタイン『Artists' Helpers Enjoy the Evenings』(1987/07)
図書館本。絵本。パリで一日の終わりの過ごすクレヨンたちが愛らしい。ゆったりと、しかし流れていく時間。
M.B.ゴフスタイン『ふたりの雪だるま』(1992/11)谷川俊太郎 訳
図書館本。絵本。“昔から、こういうことはうまくいく!”
M.B.ゴフスタイン『おとなりさん』(1989/03)谷川俊太郎 訳
図書館本。絵本。少しずつ、ふたりの関係ができていく。そのテンポ感が見事。
M.B.ゴフスタイン『おばあちゃんのはこぶね』(1996/11)谷川俊太郎 訳
図書館本。絵本。声、指先、何から何まで、とてもとても愛情深い一冊。子どもにも大人にもこのあたたかさは伝わると思う。
M.B.ゴフスタイン『生きとし生けるもの』(1990/05)谷川俊太郎 訳
図書館本。絵本。『ほんとうの私たち』と原作は同じ。谷川俊太郎さんの訳がすごい。また違ったふうになる。海老の登場がうれしい。
M.B.ゴフスタイン『クリスタルを描く』(2021/11)谷川俊太郎 訳
図書館本。絵本。曖昧ではない世界を彼女はクリスタルの中に見ていたのだろう。パステルで描かれた「Under the Yellow Roof」の絵、気持ちが晴れやかになる。

2月

M.B.ゴフスタイン『ほんとうの私たち』(2021/11)トンカチ 訳
絵本。私たちが本当は何だったのか。あまりにまっすぐで、しかしそんなことも忘れかけていたことに気づく。
M.B.ゴフスタイン『The Gats! あの子たち!』(2021/05)トンカチ 訳
絵本。あの子たちにとってのホームがどんなものかを考えることが、私たちにとってのホームを考えることにもなる。それ自体はもちろん、それを探すということについて。
M.B.ゴフスタイン『A Little Schubert』(1984)
図書館本。絵本。英語版を読んだ。ゴフスタインさんの作品群は、英語のまま味わうのもいいかも。余計なものがすべてそぎ落とされている。ずんぐりむっくりのシューベルトがかわいい。
M.B.ゴフスタイン『ゴールディーのお人形』(2003/10)末盛千枝子 訳
図書館本。児童書。仕事はすばらしいものだという彼女の言葉がそのまま物語になった感じ。何のために仕事をするのか、という思考をさぼらなかったから、こんなに心のこもった物語になるのだろう。
M.B.ゴフスタイン『画家』(1986/03)谷川俊太郎 訳
図書館本。絵本。彼女の信念なのだろう。繊細なペンとやさしい色づかいの裏にすごいものがあるのを感じる。
M.B.ゴフスタイン『あなたのひとり旅』(2012/02)谷川俊太郎 訳
図書館本。絵本。パステルで描かれた絵にも迷いがない。
M.B.ゴフスタイン『私の船長さん』(1996/10)谷川俊太郎 訳
図書館本。絵本。とてもちいさくて、だからこそ純粋なロマンス。この木製の人形、触ったらきっとあたたかい。
M.B.ゴフスタイン『海のむこうで』(2021/06)石田ゆり子 訳★★
図書館本。家の本棚にも追加。絵本。キュンとした。キュン。かわいくて美しくて、ひそかに孤高でもある。キュン。
藤原一枝 作/はたこうしろう 絵『雪のかえりみち』(2001/01)
図書館本。絵本。雪にはしゃぐ子どもたちの雰囲気や心ぼそくなる男の子の表情、クスンクスンなどの言葉選びが絶妙で、文と絵も合っている。
『ゴフスタイン つつましく美しい絵本の世界』(2021/05)
ゴフスタインさんの作品とインタビュー。まっすぐなひとだったとわかる。するべきことをやり遂げたのだと思う。 →日記
ジェフ・キニー『グレッグのダメ日記④あ~あ、どうしてこうなるの⁉』(2009/11)中井はるの 訳
図書館本。児童書。ハチャメチャ度が少し低い巻。図書館で借りた4巻読み終わり、16巻まであるらしいからまたちょくちょく読んでみようと思う。
ジェフ・キニー『グレッグのダメ日記③もう、がまんできない!』(2009/04)中井はるの 訳
図書館本。児童書。1、2巻よりグレッグのかわいさが増している感じがする。とくにタンポポのシーン。
エーリヒ・ケストナー『ふたりのロッテ』(2006/06)池田佳代子 訳
図書館本。児童書。10歳のルイーゼとロッテが対抗するのは、大人ではなく、大人によってもたらされた状況や立場。だからこそ大人も読んでハッとする。もともと映画のシナリオだったという文体もいい。
ジェフ・キニー『グレッグのダメ日記②ボクの日記があぶない!』(2008/09)中井はるの 訳
図書館本。児童書。兄ちゃんにいじめられたりなんとか対抗しようとしたりするが、やはりくだらない。くだらないのに読んでしまう。
畑野智美『みんなの秘密』(2015/08)
図書館本。中学生の人との微妙なバランス感覚が、大げさでなく絶妙に描かれる。成長や意味を期待して読んだ人は裏切られただろうな。
ジェフ・キニー『グレッグのダメ日記』(2008/05)中井はるの 訳
図書館本。児童書。くだらないが、本当に悪いやつはいない。日記ふうに書かれる日常。アメリカで人気のシリーズなのもわかる。
ジャック・センダック 文/モーリス・センダック 絵『とてもとてもサーカスなフロラ』(2017/10)江國香織 訳
図書館本。絵本。フロラが誰かとではなくたった一人で出かけていくところがいい。『かいじゅうたちのいるところ』でおなじみのモーリス・センダックさんが描く絵の、サルの指の繊細さたるや!
町田そのこ『52ヘルツのクジラたち』(2020/04)
図書館本。社会の様々な問題をリアルに感じた。全体的な雰囲気がそこまで暗く感じなかったのは、夏の景色と登場人物たちの人柄か。
児童文学雑誌「飛ぶ教室」47号(2016/10)
特集「行き帰りの道」。作品募集の選評で川島誠さんが、「繋がる」「絆」はそろそろ死後の仲間入り、と書いている。
児童文学雑誌「飛ぶ教室」52号(2018/01)
特集『「飛ぶ教室」的世界一周』。世界の子どものこと、本のこと、生活のこと。
アーサー・ランサム『ツバメの谷』上、下(2011/03)神宮輝夫 訳
図書館本。家の本棚にも追加。児童書。ランサム・サーガ第2巻。不安な気持ちも等身大。ロジャかわいい。
江國香織『竹取物語』(2008/08)
ストレートな現代語訳。原文の雰囲気(「飛ぶ教室」16号のご本人の言葉をかりれば「風味」)が感じられる。
たかどのほうこ『白いのはらのこどもたち』(2004/01)
図書館本。絵本。のはらクラブシリーズ第3作目。雪ののはらをさんぽする。冬でもいろいろなものが見つかる。遊びに行きたくなる。
たかどのほうこ『のはらクラブのちいさなおつかい』(2001/09)
図書館本。絵本。のはらクラブシリーズ第2作目。秋ののはらをさんぽする。知らぬ間に服にくっついている植物も好きになりそう。
たかどのほうこ『のはらクラブのこどもたち』(2000/05)
図書館本。絵本。のはらクラブシリーズ第1作目。春ののはらがこんなに楽しい。野の草花が好きな人はもっと好きに、詳しくない人も散歩してみたくなる。
アーサー・ランサム『ツバメ号とアマゾン号』上、下(2010/07)神宮輝夫 訳★★★
図書館本。家の本棚にも追加。児童書。ランサム・サーガ第1巻。ツバメ号、アマゾン号ばんざい! →日記

1月

ひらぎみつえ『ころりん 123』(2020/03)
しかけ絵本。数字に沿って指でなぞったりわっかをころがしたりする。
M.B.ゴフスタイン『ブルッキーのひつじ』(1989/03)谷川俊太郎 訳
絵本。存分にかわいがるブルッキーと、存分にかわいがられるひつじが、とてもあたたかい。「みみのうしろを……」のページが好き。
児童文学雑誌「飛ぶ教室」68号(2022/01)
特別号「創刊40周年記念」。谷川俊太郎さんがインタビューでおっしゃっている「自分の中にある幼児性」という言葉が印象的。「子ども大人辞典」ページに岡田淳さんも寄稿されている。→感想文
小澤一雄『オーケストラ笑う』(2015/05)
ひとコマ漫画。「遊ぶ」のページのトロンボーン奏者、いい表情。
竹下文子『旅するウサギ』(2010/12)
図書館本。児童書。散歩のような、気張らない旅。
M.B.ゴフスタイン『ピアノ調律師』(2012/11)
児童書。と分類されているけれど、だれが読んでもいい。「魅力」という言葉の意味を体験できるような生き生きとした物語。
M.B.ゴフスタイン『ねむたいひとたち』(2017/09)谷川俊太郎 訳★★★
小さい絵本。図書館で一目惚れしてすぐに買った。ねむたいってしあわせ! かわいい絵と谷川俊太郎さんの訳が合う。
村山早紀『コンビニたそがれ堂 街かどの魔法の時間』(2006/09)
図書館本。児童書。だいじなさがしものがあるひとの前にだけあらわれるというお店には、私だったら……と想像できる身近さがある。魔法の力がためらいなく使われている。
まど・みちお『しゃっくりうた』(1985/06)
図書館本。少年詩集。ふしぎがりの中でじぶんなりの発見をする方なのだろう。好きだと思った二篇→「ケヤキ」“ケヤキの枝ぶり”わかる。「てつぼう」“うちゅうが/ぼくに ほおずりしたのは”そうか、だからみんな鉄棒するんだ。
フランシス・ホジソン・バーネット『オンボロやしきの人形たち』(2021/10)尾﨑愛子 訳★★
図書館本。家の本棚にも追加。児童書。最初から最後まで、軽快で、思いっきり楽しいおとぎばなしだった。
児童文学雑誌「飛ぶ教室」15号(2008/10)
特集「まど・みちおのふしぎなポケット」。“ふしぎがり”のひと。
児童文学雑誌「飛ぶ教室」14号(2008/07)
特集「愉快な冒険物語」。斎藤惇夫さんと小寺啓章さんの対談がアツい。→日記
児童文学雑誌「飛ぶ教室」16号(2009/01)
特集「あたらしい、古典」。現代の型にはめるのではなく古典を古典として、かつ、この時代でも親しい気持ちをもって読める。そんな現代語訳の数々。
岡田淳『図工準備室の窓から―窓をあければ子どもたちがいた―』(2012/11)
エッセイ。再々々……読。いろんな時間の“今の私”をつなげてくれる。これからも定期的に読んでいきたい一冊。
ジョン・ヨーマン『クマと仙人』(1991/05)渡辺茂男・渡辺鉄太 訳
児童書。風刺ではないユーモアに満ちている、とてもしあわせな物語。
岡田淳『星モグラ サンジの伝説』(1990/12)
児童書。再々々……読。何度読んでも、サンジの生きざま、飛びざまに心躍る。感想文加筆。
子どもの本のための雑誌「鬼ヶ島通信」70+7号(2021/11)
特集「食べる」。岡田淳さんのエッセイ「いちばんおいしい柿」をあらためて読んだ。→感想文
子どもの本のための雑誌「鬼ヶ島通信」70+6号(2021/05)
特集「どうぶつを書く」。《アンケート》の岡田淳さんの文章をあらためて読んだ。→感想文


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