雨やどり


管理人室 -- 日記 -- 2022/02
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2022/02/27 小冊子
2022/02/22 ウソ
2022/02/18 真実の気配
2022/02/14 雪の夜に考えた
2022/02/13 雪の夜
2022/02/08 ホシ
2022/02/03 ツバメ号、アマゾン号ばんざい!

2022/02/27 小冊子

読んだ本や行った場所についての小冊子を思いつきでつくった。つくるのが楽しくて、つくってよかった。書いて印刷して製本しただけのことなのだけれど。全部おうちでできた。みんなはじめはおうちで絵を描いたり音楽を作ったりしてたってことを思い出せたのもよかった。A6サイズ・8ページの本が2部できて、しようと思えばいくらでも手軽に増刷できるので、BOOTHで出しておくことにした。無料配布扱いなのだけれど、システムの都合上、100円はかかってしまう。匿名配送だと470円。……絶対にだれも買わない。かといって、データを公開するほどみんなに見てほしいわけでもない。そのうちひっそりと配り歩きたい。詳しくは小冊子のページをごらんください。

2022/02/22 ウソ

傷つけるためにわざとつかれる嘘よりも、損得勘定で罪悪感なくつかれる嘘のほうがこたえる。信じられていなかったのだなぁと思って悲しくなる。しかし、私が勝手に悲しくなっているだけなので、がんばるしかない。他人は変わらないから、自分がどうにかなるしかない。

2022/02/18 真実の気配

『ゴフスタイン つつましく美しい絵本の世界』を読んで、ゴフスタインさんはとてもまっすぐなひとなのだろうと思った。インタビューの中で、自身のかく絵本の文章を暗誦するという話がある。暗誦している時に言葉がすんなり出てこないものは、正しくない言葉だと判断するのだそうだ。すんなり出てくるのは、正しい言葉。そうして、正しい言葉を「見つけ」ていく。この話の中で、「選ぶ」のではなく「見つける」のだとおっしゃっている。ほかの場面でも、「つくる」というより「引き出す」。最期のことばでも、こんなことを残している。
真実があって
わたしはその気配を感じるの。
だから私はその真実を
明らかにしなくちゃいけないの。
彼女のかく文章や絵はわたしたちにも「真実の気配」を感じさせてくれる。彼女の思う「真実」とは何なのか。明確にはわからないけれど、きっといいものだと思える。彼女は、人生をかけて「真実」を「見つける」作業をしたのだろう。その姿勢がとてもまっすぐだと思ったのだ。だから、作風が変わっていくことも自然なのだ。今までやったことのないことをする時、変わらないまっすぐさがあるから、わたしたちはそこでもまた違う「真実」を見る。
この本にはいろんな作品が少しずつ載っていて、どれもとても気になり、図書館でいくつか予約した。というわけで、ゴフスタイン月間になります。
並行してランサム全集も読み進める。図書館で借りてもどうせ買うことにしそうだから、少しずつ買って読んでいくことにした。ほとんど児童書ばかり読んでいる。みんながやめちゃっても、わたしはずっと、今より小さいときに読んでいたような本を読みつづけるし、公園で遊びつづけるぞ。わたしはわたしなりに「真実」を見つけてみたい。本と公園には「真実」がたくさんあると思うの。たとえ見つからなくても、見つけようとしていたい。

タグ: 読書 

2022/02/14 雪の夜に考えた

雪の夜に考えた、これからのこと。死ぬまで今の仕事を続けるものだと思っていたけれど、最近は、そうではないかもしれないなと思っている。違うことをしているわたしの姿を夢に見ることがある。ここでいう夢とは、目標という意味ではなく、眠ってみる夢のことである。今の仕事をやめるときの想像だけがつかない。そのシーンさえ思い浮かべば、今の仕事から約束事だけをなくしたような何かをすることになるだろう。
雪の夜に考えた、すこしだけショックだったこと。心から信じているひとの言動について、怖いと思ってしまった。だからと言ってがっかりしたとかもう信じないとかいうことは決してないのだけれど、どのくらいの距離でいるのがいいのか、常に考えていなければいけないと思った。わたしたちのいる場所も変わったのだから、同じ距離のままというわけにはいかないのは当然ね。一方、どこにいても変わらない近さや遠さにあるものが、わたしにとっては本だった。これまでもこれからも。ひとつひとつの物語は、どんなふうに形を変えようと同じ距離にいてくれる。本にはなくてひとにあるもの、それは歩く足なのだった。もちろん、どちらのほうがよいかという問題の話ではないのだけれど、違うということを覚えておこう。

2022/02/13 雪の夜

昨朝以来38時間コーヒーを飲まずにいたらフラフラしてきて、21時半にゴリゴリ豆を挽いて(それだけでちょっと回復した)淹れて飲んだ。30分後には完全に復活した。アル中ならぬカフェ中。23時のいま、外は雪。木曜日にした雪かきの筋肉痛はすっかり治った。今日また昼過ぎから降り出した雪が夜になってしっかりとしてきて、積もり始めている。明日の朝、かかねばならない。このあいだ積もった26センチぶんの雪がまだ融けきらないまま、明日の雪はどこへやろうかとぼんやり考えている。もっとたかく積むしかないか。もっと、たかく。雪の夜は、雨の夜よりずっと静かだ。考えごとと読書がはかどる。

2022/02/08 ホシ

たくさんの人は、めいめいが違うホシにいるということに気づいていない。どんな人物がわたしのホシを横切ろうと、このホシが美しくあるように心がけるだけだ。そのことを自分がうまくできていないようなとき、ほかの誰が何をしているときよりも一番いやな気分になる。何気なく春の約束をして、その日までの生きる理由をうかつにつくってしまったことに失望した。この気持ちも、こうして書いてしまえば、明日にはなんでもなくなっているだろう。しかし、これを書く前、50分間くらいじっとしていた。

2022/02/03 ツバメ号、アマゾン号ばんざい!

なぜもっと早く読まなかったのだろう……! アーサー・ランサム『ツバメ号とアマゾン号』を読んだ。ランサム・サーガ(ランサム全集)第1巻。とてもよかった。ウォーカー家の4人きょうだいは、夏休みに訪れる湖で、小さな帆船ツバメ号をあやつり、子どもたちだけで無人島ですごす。こんなにも、自分もそこにいて一緒に冒険しているように感じる物語は、なかなかない。この物語がいつの時代にもどの世代にも読み続けられていることに、納得。
読んでいない人は、すぐ読んでください。読んだことのある人も、時を超えてふたたびどうぞ。以下ネタバレもあるので、まっさらな気持ちで読みたいひとは、読んだ後に戻ってきてください。

まず、子どもたちがみんないいやつだ。
ウォーカー家のジョン、スーザン、ティティ、ロジャの4人は、それぞれにいいところがたくさんあって、それが冒険の中で存分に発揮され活躍している。その生き生きとした姿に、読者は彼らととても親しい気持ちになる。船長ジョンが、うそつきと言われて傷ついた時に考えたこと、とった行動。ああやって乗り越えていくしかないのよね。航海士スーザンの、しっかりしたところ。アマゾン海賊との戦争に向かう夜、ロジャがたくさん着込んできたときにひとり冷静だったところが好き。いちばんの空想家、AB船員ティティ。彼女は、だれよりも、この冒険の場所を自分のものにした。そして、愛すべきボーイ、ロジャ。4人の中でいちばん年下の彼も、一人前に仕事をこなす。最初のシーンですぐに好きになった。「アイ・アイ・サー」と従順な姿もかわいい。
アマゾン海賊のブラケット姉妹も、劣らずいい。アマゾン号の船長ナンシイは、ファンも多いことだろう。颯爽と何でもこなす姿はかっこいい。あらしの夜もさすがだった。航海士のペギイは、憎めないキャラクターだ。いつもしゃべりすぎてナンシイにとがめられている。その話しぶりに親しみと愛嬌がある。

彼らはすっかり探検家と海賊になりきっているのだけれど、これが実はごっこ遊びなのである。そのことを子どもたち自身ももちろんわかっている。彼らのあこがれは、そのまま私たちのあこがれでもある。だから、この物語は、目の前に湖や島があって、一緒に船をあやつり無人島で生活しているように感じるのだと思う。そしてそれが、めいっぱい楽しい時間なのだ。

そして、彼らがめいっぱいこの冒険を楽しめるのに欠かせないのが、大人の存在だ。この物語のいいところは、すてきな大人たちがたくさんいるところだ。
なんと言っても、ウォーカー家のおかあさんがいちばんすてき。格別にすてきな大きい少女なのである。どの子どももきっと、このおかあさんが大好きだと思う。こんなおかあさんがいたらすてきだと思うに違いない。そして、子どもだったことのある大人(あるいは大人になった子ども)はみんな、このおかあさんのようでありたいと思うだろう。
子どもたちは毎朝ディクソンさんの農場へ牛乳をもらいに行くことになっている。大人たちが、子どもたちの冒険を邪魔することなく、彼らの安全を確認する目的もある。彼らが子どもたちだけで無人島で生活することは、こうしてすてきな大人たちによって守られているのである。そのことをもちろん子どもたち自身もわかっている。だからこそ、こんなにのびのびとしていられるのだ。大人は、読むたびに、このようにすてきでなくてはいけないと思うだろう。
船長フリントの書いた本『雑多なこけ』は、ぜひとも読んでみたいものである。海賊だった(という設定の)この男は、海の掟をわきまえていて、仲間になったら最高に楽しい。子どもたちとの決戦は、ほんものの海賊と探検家を見ているようだった。

冒険の終わり、つまり夏休みの終わりは、彼らとともにさみしかった。ナンシイは「永久に学校へ行ってるわけじゃない」と言う。続けてこう言う。大人になったら、「一年じゅうこの島に住める」。なんと頼もしい! ジョンも、「いつかは海へ行く」「でも休暇には、かならずここに帰ってくる」と言う。

図書館でかりて読んだのだけれど、第1章を読み終えたときにはもう、家の本棚に追加することを決意した。今日さっそく、ランサム・サーガ第2巻『ツバメの谷』を図書館でかりてきたので、読みます。重ね重ねになりますが……、みんな絶対に読んで! すぐ!

タグ: 読書 

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