雨やどり


管理人室 -- 日記 -- 2023/05
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2023/05/31 夜散歩
2023/05/23 ぐーちょきぱー
2023/05/14 ほんとうにうつくしいもの
2023/05/13 二周年
2023/05/11 ジョン
2023/05/09 海・愛
2023/05/07 私信
2023/05/05 わたしの心の青だ

2023/05/31 夜散歩

夕方、友人Rから連絡が入っていた。夜になって返信し、急に散歩することになった。21時30分に近くの公園で待ち合わせた。相変わらず暗すぎて、神社の明かりが不気味だった。むかし、この公園で地区のおばけ大会があったのを思い出す。6年生がおばけになって下級生たちが公園を一周する。おばけがいなくてもじゅうぶん怖い。
明るいほうへ行こうと言いながら、湖に向かって歩いたが、結局どこもそんなに明るくはない。待ち合わせたのとは違う公園に着いた時、Rが「空が広い」などと言う。「うわ、東京の人だ」と言ったら「今の、なしで」と。「東京には染まってない」と言うから、「でも、田舎の人だとも思ってないら?」と返した。どこにも染まらずにふらふらしてる、とお互いに言い合って笑った。本当かどうか確かめることもせず、そういうような話ばかりした。
またね~と言って解散する。家に戻って時計を見たら23時15分くらいで、びっくりした。思ったより長い散歩になった。

タグ: 散歩 

2023/05/23 ぐーちょきぱー

ぐーちょきぱーで ぐーちょきぱーで なにつくろー なにつくろー みぎてはぐーで ひだりてはちょきで えびおすしー えびおすしー って、うちの小さいひとが歌ってた。

2023/05/14 ほんとうにうつくしいもの

坂道が好きだ。さか道は、さかい目でもある。高いところと低いところの境目、この世とあの世の境目、現実と幻想の境目、自分と他者の境目、そして自己の内と外の境目。美しいものは境目にある。

積んでいた児童文学雑誌「飛ぶ教室」第70号(光村図書・2022年7月発行)をようやく読んだ。若松英輔さんの連載「言葉のちから」の第3回目「ほんとうにうつくしいもの」が、私にとって驚くほどタイムリーな話だった。最近の日記(4月27日4月28日5月11日)に書いていたようなこと。つまり、自分のなかの世界とそとの世界、そしてその境目についてのことである。
「知ること」があることの道程になっていくような生き方について考える章がある。自然について知るだけでも、人間について知るだけでも十分ではない、と書かれている。その続きを一部引用する。「君たちとぼくだって同じだ。(中略)君たちとぼくをつないでいる場を貴ぶことはできる。そのつながりに畏怖の念をもって向き合うことはできると思うんだ。」
話は「つながり」ということに広がっていく。個人の「身体」と「心」。すなわち、目に見え手にふれることのできる「外界」と、人がそれぞれ持つ別な「内界」。そして、その異なる心同士のつながり。別の人の異なる心とつながる方法の一つとして、若松さんは「詩を味わう」ことを挙げている。
ここで、八木重吉という詩人が紹介される(詩集を買って読み始めている。とてもよい。とてもとてもよい。この話はまた別のときに)。以下引用。「八木重吉の『うつくしいもの』と題する作品を読むと外界、内界という二つの世界のあわいにあるものを探究し続けた姿がありありと伝わってくる。」まさにそうだった。さらにもう少し引用する。「(重吉は)自分の外でも自分の内でもない、未知なる場所、『ほんとうに 美しいもの』はそうした場所にあるのではないかというんだ。」未知なる場所、これこそ私の考えている境目と考えていいだろう。

ようやく境目の話に戻ってきた。若松さんの文章を読んで、私は自分のどの部分で人と関わっているのだろうかと、ふと思った。自分の内でも外でもない、境目の部分でみんなと会いたいと思っているけれど、実のところはどうなのだろう。相手はその人のどの部分で私と会っているのだろう。人によって、時によって、場によって、変わるのかもしれない。
音楽について考える。人前でピアノを弾くとき、何を弾くかで別の場所にいる。ハイドンの曲を弾くとき、目に見える世界を意識する。身だしなみを整え、朗らかでいられるように背筋を伸ばす。ブラームスの曲を弾くときは、自分の中のそれもかなり深いところまで開いている。フォーレの曲を弾くとき、ここではないどこかの夢を見ているような心地になる。それぞれの曲で違う場所にいるように思える。けれど、外に目を向けてるときにも心の中のささやきは必ずあるし、自分の中の本当に大事なところは隠しているのかもしれない。夢を見ながら夢だと分かっている。完全にどこかの世界だけに浸ることはできないのかもしれない。ならば、それを探すしかない。どの世界もどこかにあると分かりながら探し続ける。そして、最後にどの場所にいるかは、結局バランスなのだろう。これが私なりの音楽との関わり方なのだと思う。
物語について考える。こそあどの森はどこかにあり、学校ネズミはいて、ツバメ号は湖を帆走する。モモは今日も誰かの話を聞いていて、カレンダーをめくれば特別な一日が始まる。すべてを信じている。探さないけれど、存在を信じている。物語の世界に私自身がいるときもある。そういうときはきっと、自分の外と内の境目にいる。なぜなら、今挙げたものたちは私が最も美しいと思う世界だから。探す必要はないけれど、そこに行くための準備はいつでもしておかなくてはいけない。遠く離れてしまうのは悲しい。
人との関わりについても考える。私の美しい世界は、誰かにとっては苦しい世界かもしれない。その誰かと私が分かり合うことは不可能だろうか。お互いに外側だけで馴れ合うことしかできないのだろうか。そうではないと願いたい。共通項を見つける方法ではなく、仲良くなりたい。お互いにとってそれぞれの美しい世界があるとふたりともが分かっていれば、いい友達になれるかもしれない。私はこのことを忘れずにいよう。もし誰かがそうではなかったとき、言葉ではない方法でそこに近づけたらいいなと思う。言葉ではない方法。ともに歩く。坂道を歩く。なぜ坂道なのか? 境目だからです。

2023/05/13 二周年

ひっそり、こっそり、このホームページも今日で二周年です。ひっそり、こっそり、お祝いしてください。

2023/05/11 ジョン

ジョンにはぜったいに会えないんだ、と思ったら涙が出てきた。ジョンっていうのは、ツバメ号のジョンのことね。本を読めばいつでも会えると信じていたし、信じている。けれど、ほんとうに会うことはできないんだ。会ったことがないものにこれから会えない寂しさではなく、どうしてか懐かしさがいっしょにあった。自分でもびっくりするくらいえんえん泣いた。27じ40ぷんくらい。眠れなくても横になろうと思って電気を消したら、かなしかったことやくやしかったことを思い出して、いつしか、ジョンのことを考えてた。暗い部屋で、こたつと小さな手元の電気をつけて、この気分を言葉にしている。
たぶんジョンもツバメ号も、わたしのなかにはいないんだ。そとにもいない。あいだの知らない場所にいる。わたしはいま、じぶんのなかに深く入りこんでいて、それで、美しいものたちから離れてしまった気分に(あるいはほんとうにそう)なっちゃったのかもしれない。そこにもう一度近づくには、どうしたらいい。 歩く 話す 待つ …… 今は待つことにしよう。このまま明けてほしくない今日のよるが終わったら、歩いて図書館に行こう。

2023/05/09 海・愛

海に対する私の気持ちは、「好き」ではない。海に対してあるのは、コンプレックス(人から言われたことがある)と憧れだけだ。どうあがいても山側の人間なので、本当に好きになることは無理なのかもしれない。でも、いつも心の底から「海が見たい」と願っている。そういうコンプレックスと憧れがある。
私の中で、海が見たいのと同じように「人を愛したい」は存在している、たぶん。愛したくなるけど、それがいいことなのか、そもそも人間が人間を愛せるのか、考えている。迷っている。分からずにいる。無いから望んでいるだけなのかもしれない。愛したいけど、愛さないでいる。
《追記》分からないと言う時、本当は分かっているのではないかと、いつも自分を疑う。自分が分かっていようといまいと、誰かにいいとかだめとか簡単に言われないようにしておきたい。
《追記2》山側の人間ってなに?

2023/05/07 私信

おたんじょうびおめでとうございます!

2023/05/05 わたしの心の青だ

約束通り、香川県に行ってきた。ひとりなら車で行っていたな。連休ではないときに。なんにせよ初四国、いつもグダグダなわたしたちにしてはちゃんと行ってきた。
着いてすぐの小豆島へのフェリーで、すっかり船乗りになった。「瀬戸内の穏やかな海 わたしの心の青だ」(waffles『Blue』)この通りだった。寝て起きて、小豆島をぐるっとして、またフェリーで戻る。船乗り再び。途中、アマゾン号を見かけた(帆が白かったのでツバメ号ではない)。アマゾン号ばんざい! 続いて、金刀比羅宮に行く。785段を登って本宮にたどり着き、さらに奥社まで行こうゼと誘ったけど、絶対ヤダと言われ、笑って帰ってきた。うちの教室の子がいてびっくり。その後、ファミレスでだべる。初めてのJoyfull。寝て起きて、ようやくうどん。朝うどん、もぐもぐ。高松市に戻って、歩く。小3か小4くらいの女の子とけん玉をした。本気で練習した。コーヒーを飲んで、絵本やさんで本を買って、公園を歩いて、おしまい。
これで、約束した事はすべて終わった。いつでも死ねる。それでも死なずに生きているのは、もう少し待ってみたいからだと思う。もう少し先の時間で、またみんなと仲良くしているか、待ってみたい。

タグ: 旅 

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