絵本。絵は、はたこうしろうさん。
おくりもの
3人のおばあさまから贈られたのは、やさしい心と、かしこい頭と、それから、ひとの言葉をしっかりきける耳。このチョイスが岡田淳さんらしくて、すてきだ。
ロバの耳
ポルトガルに伝わるお話では、王子さまの耳は、最後にはロバの耳ではなくなる。この物語は、ロバの耳のまま終わる。あとがきに「ぼくは、王子さまはロバの耳のまま愛されるのがいいと思います」とある。
岡田淳さんの描く物語は、どこかでできなかった何かなのかもしれない。他の物語ではできなかったラストを描こうとしているのかもしれないし、現実にそうなってはいないように見えることを物語に託しているのかもしれない。しかし、そのどれもが、いつかどこかではできるかもしれないことなのだと強く感じる。
2020/01/04
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