雨やどり


管理人室 -- 日記 -- 2024/03
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2024/03/29 春うらら
2024/03/15 教育家であるということ
2024/03/14 ちゃんとしていない人
2024/03/12 雪のおもしろう降りたりし朝

2024/03/29 春うらら

 3月に入り、秋に植えたチューリップの球根はきちんと芽を出し、半分残しておいた花壇には自分との約束通りにパンジーを植えた。いつまでも寒かった今年の冬は食べ物が少ないのか、パンジーは植えてすぐにヒヨドリに食べられてしまったのだけれど、再び花がついた。守り切った春休みは、春うららだった。
 春はあけぼの。朝5時は雨でもじゅうぶんに明るく、今年はじめてのお花見をした。ピンクの華やかな花が咲く前に、毎年かならず黄色い花がつつましく咲く。中でもいっとう好きなサンシュユの花が、想像していたよりもずっと美しく咲いていた。差し伸べられた手を握れなかったことが、これまでに二度あったなぁと思った。助けられるためではなくただ信じて握ればよかったんだと今なら思える。
 午前中のうちに届く予定だったいくつかの荷物を受け取って、タイマーをかけずに眠った。3月後半の2週間は忙しかった。しかし、どんなに忙しくても1日は24時間ずつ終わっていく。忙しい日々に見落とした夢を取り戻すように眠って、窓から入る午後の光が顔に当たるころ目を覚ました。目を開けた時の空の青がきれいだった。
 休みとはいえ結局仕事のあれこれをしつつ、今日のようなたまの誰も来ない日を懐かしく過ごす。今の生活では、夕陽を見ることも珍しくなった。日が沈んですぐ車で出ていくつか用事を済ませ、さくっと30分くらいで帰ってきた。再び仕事のあれこれをしつつ、合間に夕飯とお風呂もこなし早めに寝る。昼間にあれだけ寝ていても、夜は夜で眠くなるものである。またしばらくは忙しくなる。

2024/03/15 教育家であるということ

3月も終わろうとしているが、この日付で日記を書く。ひとつ前の日記の彼にはこの日にちゃんといろいろ聞いて、けっきょく頼まれごとは断った。本当にちゃんとしていなくてどうしようもない人なんだけれど、まあまあいいやつではあって、いいやつでいてほしいと思う人でもある。だから、教育家であるということは理由にせず、関係をサボらずにやるべきだったのだ。ならば、教育家としてのわたしは何なのだろう。
あまりに広すぎて何も見つからないとき、そうではないものは何かという考え方を最近たまにする。教育とは。誰かや何かのためにするのではない。何かを与えたり求めたりするのではない。こうしてあれでもないこれでもないと考えていくと、祈りのようなものでしかないという気がしてくる。完成形など分からないし、決めるものでもない。ただ、いいやつでいてよねって忘れずに思い続けるしかない。いつか祈りが届いたら、そこにわたしがいなくても、教育家としては本望だと思う。
教育家であるということは、誰かに対しての態度ではなく、自分自身の心がけなのだ。そういう心持ちでいなければいけないなと思う。いけないというより、そうするしかないと今は思っている。

2024/03/14 ちゃんとしていない人

相変わらずちゃんとしてないんだなと思った。高校~大学時代の後輩から数年ぶりにLINEが来た。仕事のことで頼みがあるとかなんとか。しかし、何を言っているのかよくわからない。「みたいな」が多すぎる。ポケモンゴーみたいなと言われたところで、ポケモンゴーがどんなものなのか知らないので、全く想像がつかない。それを引き受けて、どこでどうお金のやり取りが発生するのかしないのか、私に何かいいことがあるのか、その後何か対応しなければならないことがあるのか、何もわからない。とにかく、やるべきことの中でも肝心なことをやっていなくて、困っているらしい。むかしからそうだったよな…。彼の仕事を私がどれだけ代わりにやったか…。
それで、まだ何も返信していないのだが、詳しく聞くべきか、無視するか。そもそも、そんなに親しい仲ではない。地元が同じというだけで、同じ演奏会に出たり運営したりする機会が多かっただけだ。私なら怒ったりしないだろうと思って、そういう人たちに手当たり次第に声をかけているのだろうなと思う。私が何か言ったところで、この人は一生ちゃんとできないと思うのだけれど、もしかしたら少しはましになるかもしれない。与えるとかそういうんじゃなく、私とて教育家であるならどんな人ともまじめに付き合ってみないといけないのかな、などと考える。どうしたものかしら。

2024/03/12 雪のおもしろう降りたりし朝

誕生日。朝、ふわふわした雪が降っている。お祝いのメッセージを送ってくれた人の誰も、雪のことは言わない。そのうちに雨に変わった。午前中の仕事を終えて、やすみ亭でお昼にする。おさかなおいしい。そこに在るすべてにさりげない気遣いが感じられる。雨は再び雪になった。数字の好きな子が誕生日だねと言ってくれた。仕事を終えて、大相撲を見る。3日目くらいがいつもいちばんおもしろい。雪はやんでいた。誕生日だし、と思って外に出る。傘は持たなかった。さっきまで雪が降っていたから閉まっているお店も多い。魔女は「雪の日に来る人がいる」と言った。ほんとうに、6人でいっぱいになる場所に5人がいた。もう一軒。来たらお祝いすると言ってくれていたのが、行ったのがちょうど日が変わったころで、やめときますかと言われたがちゃんと祝っていただいた。

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